1. Home
  2. 機械創造工学科

機械創造工学科-Mechanical Engineering-

「ものづくり」は日本の基幹産業

ものづくりに欠かせない基盤科目(“4つの力学”と制御工学)を修得し、演習・実験実習を通じて考える力、応用力・創造力を引き出し、日本の基幹産業の発展に貢献できるエンジニアを育成します。

学科長からのメッセージ

私たちを取り巻く社会では、種々多様な製品が目を見張るスピードで技術革新を続けています。これら技術革新は、技術者による弛まぬ「ものづくり」挑戦の成果です。

機械創造工学科では、少人数制の授業を行っており、日本の基幹産業である「ものづくり」に必須の知識を基礎から応用まで効率よく学べるカリキュラムを用意しています。新しいものを作り出すことは、とても難しいけれどやりがいのあることです。けれども、うまくいくときもあれば、そうでないときも多くあります。そうしたときに、状況を分析し、色々な面から原因を考え、対応策を工夫できれば、ものづくりはきっと楽しくなると思います。

学生の皆さんには、機械創造工学科での学びを通じて、自ら考える力を身に着けて欲しいと思います。そのためには、学生時代にチャレンジ経験を積み重ねることが重要だと考えます。機械創造工学科では、学生の自主的な「ものづくりチャレンジ」を応援しており、その活動の中で、学生の皆さんが失敗と創意工夫を繰り返しながら成長していくことを願っています。

学びのポイント

1少人数制と講義・演習・実験連携学習により、
考える力と応用力を育成

日本の基幹産業である「ものづくり」に必須の知識である4つの力学(機械力学、材料力学、熱力学、流体力学)と制御工学を中核科目と位置づけ、講義と演習、実験を有機的に組み合わせたカリキュラムをを用意し、個々の学生の個性に対応する少人数制の授業を行うことにより、時代の要請に応えうる創造性豊かなエンジニアを育成します。

2学生の独創性を支援する先端装置群と研究環境

総合大学の利点を生かし、他学部が保有する先端機器(MRIなど)を活用した、世界でも類を見ない独創的な研究を行っています。4年学生は配属先研究室で、卒業研究としてこれら先端研究に携わりながら、未知への挑戦の一歩を踏み出します。また、学生主体のものづくりチャレンジを支援しています。授業で学んだ知識を活用し、学生の独創的なアイデアを試行するために、高精度NC工作機、3Dプリンタ、CADなどを使用できる環境を備えています。

3大学院まで含めた一貫教育による課題解決力の育成

卒業研究をさらに深堀りしたいという学生のために、大学院まで含めた一貫教育体系を用意しています。これにより、理工学部3学科の中でトップの大学院進学率となっています(H30年度大学院進学率 21.1%)。大学院生と学部学生の共同作業を通じて、研究の進め方や考え方、さらにチームとしての共同作業の進め方を学ぶことができます。

カリキュラムマップ

教員インタビュー

武石 賢一郎 教授

武石教授の研究内容について教えてください。

ジェット旅客機の翼に付いているのがジェットエンジンで、飛行機の推力を発生します。この推力に代わり、発電機を回すのが産業用ガスタービンです。熱を動力に変換する歴史は古く、最初の熱機関は英国で発明されたニューコメンの熱機関でした。燃料を仕事に変換する熱効率は0.5%と低く、この熱機関で高温のピストン部と低温の凝縮部に分離したのがあの有名なワットで、熱効率を2%まで改善しました。その後、パーソンスが回転する蒸気タービンを発明しました。現在は火力タービン、原子力タービンもこの蒸気タービンを用いて発電していますが熱効率は約40%です。その後、ガスタービンの排ガスで蒸気タービンを駆動するコンバインド発電システムが登場し、最新の発電プラントの熱効率は約56%(高位発熱量基準)にも達しています。

このような高効率のコンバインドシステムを達成する手段として、高温で駆動するガスタービンが必要になります。高温にすればするほどガスタービンの熱効率は良くなります。(サイクル的には圧力比が増加して熱効率が良くなります。)高温ガスタービンの技術課題は航空用のジェットエンジン、発電用の産業用ガスタービンで共通する所が多くあります。現在、両機器とも約1600℃の高温下で運転されています。この1600℃という温度は鉄が溶ける以上の温度です。このような高温ガス中で作動するタービン翼は、圧縮機で作成した高圧空気の一部を用いて冷却することによって健全性を保っています。

航空機B-777のエンジンGE90の高圧第1段タービン動翼

武石研究室では、タービン翼の内部および外部の冷却技術に関する研究を実施しています。タービン内部には、複雑な冷却流路を設け、タービン翼メタル温度が最小空気量で許容温度以下になるよう、衝突噴流冷却、ピンフィン流路、リブ付きサーペンタイン流路などが用いられるため高性能な伝熱特性を有する伝熱素子の開発、あるいは伝熱制御手法を研究しています。外部冷却の代表的な手法にフィルム冷却があります。タービン翼面上に開けられたフィルム冷却孔から冷却空気を吹き出し、高温の主流とタービン翼の間に冷却膜を作ってタービン翼を高温ガスから保護する方法です。ハヤブサがオーストラリアにカプセルを無事帰還させた方法と類似の手法です。このフィルム冷却はその性能がフィルム孔形状に依存するためフィルム冷却孔の製作方法の進歩に伴って高性能化が図られてきました。

この研究の目的はなんですか?

研究室では、内部冷却、フィルム冷却の高性能化に関する研究を行っています。今までに述べてきましたようにガスタービンの作動温度は1600℃にまで達しています。このような温度レベルの実験を実験室で実施するのは困難です。またタービンは回転しています。回転しているタービン翼で生じる現象の解明も非常に困難です。このように非常に難しい技術課題をガスタービンは抱えているからこそ世界のメーカおよび大学、国の研究所では営々と研究が続けられてきました。このような中に入って研究することは世界的なレベルでなければ見向きもされないことを意味しますので研究者の創造性の観点からやりがいがある研究対象であると考えています。研究結果は取りも直さず、熱効率の改善です。炭酸ガスの排出量を削減し地球温暖化防止に役立ちます。

MRIを用いたタービン内部流路の3次元速度分布測定の状況

最近は数値伝熱解析の進歩によって、このような複雑な熱流動現象が解けるようになりつつあります。しかし、まだ解析のみで実現象を予測できるまでには至っていません。武石研究室では解析の精度検証ができる実験精度で、実験を進めています。今までに、ナフタレン昇華法で詳細な熱伝熱率分布の測定や、フィルム冷却空気と主流の混合場の熱流動状況をPIV(Particle Imaging Velocimetry)、LIF(Laser Induced Fluorescence)などの定量的手法で測定してきました。今、さらにMRI(Magnetic Resonance Imaging)を用いた、PIVやLIFで測定が困難だった熱流動現象の解明に取り組んでいます。

樋口 峰夫 教授

樋口教授の研究内容について教えてください。

人間と物理的に接して動く機器の研究開発を行っています。工場内での人手による作業の補助や、介助・リハビリなどの医療・福祉用途に適用できる人間を支援する機器への要求が高まっています。このような用途に使われる機器は、人間と物理的に接して動くことが多いので、安全性が重要な課題となります。人間を支援する機器の代表として、従来から様々なロボットが開発されています。一般的なロボットでは、関節が強力なモータで駆動されるので、接触した人間を傷つけるリスクがありました。いかに高度な制御をしようと、強力なモータで動いている以上、本質的にこのリスクを避けることはできません。

そこでモータのような能動的な機械要素で駆動するのでなく、無段変速機やブレーキのような受動的な機械要素を活用して人間の作業の補助を行う技術が検討されています。受動的な機械要素を計算機制御することで必要な動作を得る技術を「受動ロボティクス」と呼びます。本研究室では独自の受動ロボティクス技術である「線形和機構」の研究を行っています。この機構は無段変速機と差動機構を組み合わせた構成で、変速機の速比を計算機制御することで、機構が動作する自由度を任意の方向に開放/拘束することができます。

どのような分野に役立ちますか?

社会の少子高齢化を背景に、人間と協働するロボットや人間と共存して人間を支援するロボットへの期待が高まっています。近い将来、日常の様々な場面にロボットの登場が増えてくることでしょう。受動ロボティクスと線形和機構は、このような人間共存型の機器が人間と物理的に接触して働くときのリスク低減に役立つ技術です。

この技術の応用例として本研究室では「受動型三次元上肢リハビリテーション装置」を開発しています。この装置は3関節のロボットアーム型の構造で、線形和機構を適用することでアーム先端を任意の2次元の案内面に拘束することができます。近年、高齢者、脳卒中患者など、上肢機能回復の訓練を必要とする患者が増加しており、理学療法士らを支援する装置の開発が望まれています。従来から研究されているような患者の動きをモータで補助するリハビリ機器には先ほど述べたようなリスクがありました。このリハビリ装置は手の動きが不自由になった患者がアーム先端を持って動かすことで手の動かし方を取り戻せるように支援します。またその他の応用例として、人間が押す力で荷台を昇降する「自動昇降台車」の開発を行っています。

代表的な卒業研究題目

【平成29年度優秀卒業論文賞】

●インピンジメント冷却に及ぼすクロスフローの影響に関する研究

【平成28年度優秀卒業論文賞】

●MRIを用いたフィルム冷却効率の測定手法に関する研究

【平成27年度優秀卒業論文賞】

●MRIを用いた衝突噴流領域 壁噴流領域の三次元速度分布の測定精度の検証

先輩の声-Student’s Voice-

学びやキャンパスライフについて
在校生に話を聞いてみました!

機械創造工学科の学生たち

藤田 隼矢さん
愛媛県立南宇和高等学校卒
工学研究科・システム制御工学専攻
武石研究室

川西 陸さん
香川県立香川中央高等学校卒
機械創造工学科・4年生

常包 享嗣さん
香川県立飯山高等学校卒
工学研究科・システム制御工学専攻
武石研究室

作見 怜さん
高知県立岡豊高等学校卒
機械創造工学科・4年生

共同の研究テーマがあると伺いましたが、それはどんな内容でしょうか?

藤田さん:武石研究室では、火力発電や航空機に使用されるガスタービンのタービン翼の冷却技術に関する研究を行っています。冷却技術の高性能化によって、ガスタービンの高効率化を実現できるので、火力発電のCO2排出を削減でき、また航空機の燃費を良くできます。その中でも私は、フィルム冷却技術の高性能化に関する研究をしています。具体的には、MRIを用いて流体の動きを3次元で測定したり、感圧塗料(PSP)を用いてフィルム冷却効率を測定したりしています。

川西さん:私は4年生なので研究することは初めてです。先生や研究室の藤田先輩と相談し、どのようなテーマで研究を進めるのかを文献調査などをして実験装置を計画し、装置を製作していきます。実験をして成果が出たときは達成感を感じる嬉しい瞬間です。ただ、間違わないように自分だけで判断せずに、先生や先輩とよく相談することが大事だと思います。

常包さん:私たちは、タービン翼内部の冷却技術の一つであるインピンジメント冷却の高性能化の研究を行っています。インピンジメント冷却とは、冷却空気をノズルから吹き出し、その空気をタービン翼内面に衝突させて冷却する手法です。
電気ヒーターのジュール発熱を用いた通電加熱法という方法で、ヒーター温度を熱電対と感温液晶を用いて測定し、伝熱特性を解明しています。

作見さん:私は、常包先輩と一緒にインピンジメント冷却に関する研究を行っています。研究で大切なことは、まず自分で考え、どんなに簡単な実験でも研究計画を立てることだと分かりました。研究計画を立てる時は、文献の調査、実験装置の計画、そしてどんな実験結果が出るかを予想して、細かいスケジュールを立てます。そうすることで、実験結果をすぐ評価でき、限られた時間の中で効率的に実験模型の製作や実験を行うことができます。

徳島文理大学での大学生活について教えてください

作見さん:武石研究室で研究を始めて、大学の中には最新の研究設備があることを知りました。例えば、別のグループが実施する実験では、滅多に触れることのない医療用のMRIを使用しています。保健福祉学部との共同研究をしているので、この様なまだ工学分野では使われていない機器を使えるのだと思いました。
また、大学のある志度の街はのんびりしています。香川県ということもあり近くにおいしいうどん屋がたくさんあるので、昼食や休日はよく行きます。

川西さん:徳島文理大学は学生がいる部屋のすぐ隣に先生の部屋があるので、勉強や大学生活で困ったことがあればすぐに相談できます。また機械創造工学科は大学院生も多いので横だけでなく縦の関係が築けるので円滑な大学生活が送れると思います。

常包さん:大学がある志度の町は小さいですが、一通り何でもそろっているので生活するうえでは不自由なことはありません。神戸に出かけるのも、高速バスなら2時間程度で行けるので便利です。下宿も安く大学の周りに沢山あるので選べます。それと何といってもうどん屋さんが多いです。店ごとに味が違うのでお気に入りのお店があります。また、大学には35万冊以上の蔵書がある図書館があるので調べものがあるときは便利です。

藤田さん:1年から3年で習う機械工学実験や設計製図実習は、授業で学んだ内容を実際に確かめることができるので役立ちました。特に4年生の卒業研究、さらに今私がいる修士課程の研究を進める上で非常に役立っています。演習や実験/実習でSAやTAの制度があります。学生が学生を教えるSA/TA制度を行うことで、実際に教えながら自身の理解を深める良い勉強になったと思います。
先生から、“大学院に進学したら国際会議で、英語で発表させるよ”と言われていました。まさか現実になるとは思っていませんでした。今年9月に、ハワイのワイキキの国際展示場で開催された国際輸送現象会議でMRIを用いたラティス流路の流動特性について測定した結果を論文にまとめて発表しました。英文の論文作成から発表準備まで必死にやった結果、うまく発表することができ、3名の方からの質問にも答えられたことからとても自信が付きました。世界から参加している大学院生と交流できたのが非常に勉強になりました。

どんな高校生活を送られていたのですか?

川西さん:私は普通科高校出身で、理系の科目が好きでしたが機械系の知識はほとんどありませんでした。機械創造工学科に入学してから授業や実験/実習を通して知識や関心が深まりました。高校生の時点で専門的な知識がなくても大学に入ってから丁寧に教えてもらえるので、高校では数学や物理などの基礎的なことを勉強しておくと良いと思います。

作見さん:私も機械系の知識がほとんどなく、ただ数学や物理が好きな高校生でした。機械系の知識はなかったのですが、昔からモノづくりに興味があり、機械製図や4つの力学(機械力学、流体力学、熱力学、材料力学)がしっかりと学べるこの大学を選びました。そして、入学してから様々な実験/実習や演習を繰り返して、機械に関する知識を身に付けることができました。大学の3年生までは教科書の内容の勉強をするのですが、4年生の卒業研究では、未知を探求することが大学でもっとも大事だと先生からいつも言われています。私は大学院に行かず、就職しますが未知を探求し、考える力を大切にして社会で活躍しようと思っています。

今後のビジョンについてお聞かせください

藤田さん:流体に興味を持っていたので、卒業後はポンプメーカーへ就職します。自分の専門分野としての強みを作りつつ、それを他の分野と組み合わせて、色々な問題を解決していきたいと思っています。

川西さん:武石研究室ではものづくりをする上で大切な考え方を教わりました。社会に出てからもこの研究室で学んだ事を活かして自分にしかできない仕事がしたいと思っています。

常包さん:国内や国外の学会に発表する機会があると思うので、研究と同時に英語を勉強していきたいです。また、研究室での経験を活かして機械設計の企業に就職したいと考えています。

作見さん:卒業後は機械設計を行う企業に就職します。大学で学んだ知識や考える力を活かして、周りの人たちとより良い製品を作っていきたいと考えています。

機械創造工学科 教員紹介-Staff Profile-
トップへ戻る

関連リンク一覧